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2012-05-11(Fri)

魔法のリップスティック

口紅

はじめて自分の意志で口紅を付けた日のことを覚えている。それも鮮明に。

七五三は別だ。あれは自分の意志じゃない。

母の鏡台(!)が好きで、よく引き出しを開けては中の化粧品をながめていた。

ある日、母とどこかに出かけることになって、自分の意志というものが不鮮明な私には珍しく、口紅を塗ってほしいとねだった。

なぜか母は、真っ赤な口紅を塗ってくれた。

しかし、真っ赤なリップスティックは、魔法の杖のようだった。

普段、ほめられることなどそうそうあるものではない。それが、口紅ひとつでまわりの人々がみんな私にやさしくなってしまうのだ。

家を出てすぐ近所のおばちゃんに「あらー口紅つけてもらったのー、いいわねえ」
バスに乗ると、知らないおばちゃんが「かわいいわねぇ。」
お店のオジサンは、「おっ、ベッピンさんだね!」(そのときは意味わからなかったけど)
帰りのバスでは、向いに座ったお姉さんと眼があったら、やさしくニッコリしてくれたり・・・・

しかし、次の日、母に口紅をつけてほしいとねだることはしなかった。子供なりに、魔法は使い続けると効き目が無くなることを知っていたかのように。

それにしても、母があんなに真っ赤な口紅を付けたところは見たことがない。なぜ持っていたのだろう?

でも・・・・真っ赤な口紅、私も持っている。使いもしないのに。なんだ、同じじゃんか。

母も1度くらいは魔法を使ったのかもしれない。





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まとめtyaiました【魔法のリップスティック】

はじめて自分の意志で口紅を付けた日のことを覚えている。それも鮮明に。七五三は別だ。あれは自分の意志じゃない。母の鏡台(!)が好きで、よく引き出しを開けては中の化粧品をな...

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